管轄外本店移転
管轄外本店移転
管轄外への本店移転とは、例えば、千代田区にある会社が港区に本店を移転することです。
千代田区の会社登記の登記所の管轄は「東京法務局」、港区の管轄は「港出張所」なので移転すると管轄が変わることになります。
管轄外への本店移転では、定款に定められている最小行政区画が変わるため、定款の変更が必要になります。
管轄外本店移転の登記手続き
商号について
管轄外への本店移転では、まず移転先の登記所での商号の調査が必要となります。
同一の本店所在場所における同一商号での登記はすることができないため、移転先に同じ商号、同じ住所で登記されている会社がすでにある場合には登記することができません。
また、不正の目的をもって他の会社と誤認されるような商号を使用することは禁止されています。
会社法の下では、「他人の登記した商号と同一または類似の商号は、同一の市町村内において同一の営業のために登記することができない」という類似商号の禁止が廃止されています。
しかし、不正競争防止法の関係で、類似商号を用いると、差止請求や損害賠償請求を受けるおそれがありますので、注意が必要です。
定款変更等の決議
管轄外への本店移転は、定款変更が必要であるため、株主総会の特別決議によって定款変更の決議を行います。
株主総会の決議後に、取締役会の決議(取締役会設置会社)または、取締役の過半数の一致(取締役会非設置会社)によって、本店の移転先の詳細な場所と移転時期を決定します。
登記申請について
管轄外への本店移転の登記申請では、移転前の登記所(旧本店所在地)と移転後の登記所(新本店所在地)に申請する必要があります。
登記申請に必要な書類、登録免許税は以下の通りです。
- 旧本店所在地
- 株主総会議事録
- 取締役会議事録または取締役決定書
- 委任状
- 登録免許税 30,000円
- 新本店所在地
- 委任状
- 印鑑届出書
- 登録免許税 30,000円
司法書士報酬は、52,500円(税込)となります。